台湾

 ベトナムなのになぜ台湾と思うかもしれませんが、台湾には近年の拝金主義的な風潮から、よりよい生活を求めてかなりの数のベトナム人女性が花嫁として渡ってきています。
 逆に台湾では、女性の高学歴化や社会全体の富裕化に伴い台湾の中では結婚相手を見つけられない男性が増えており、中国本土やベトナムでの嫁探しがますます盛んとなっております。その傾向を示すデータとして、2003年に結婚したカップルのうち、女性が「外国籍」であるケースが28%に達し、過去最高を記録しています。現在ベトナム人花嫁は確実な数字ではありませんが、13万人を超えたという情報もあり、かなりの勢力になっているようです。

http://www.jil.go.jp/jil/kaigaitopic/2000_12/betonamuP01.htm

 人数が増えているにつれて、悲惨な話もますます聞こえてきています。数年前には台湾に花嫁として連れて行かれた先の農家では、昼の間は召使い堂前としてこき使われ、夜には花婿(再婚)と息子たち併せて3人の夜の相手をさせられ眠る間もないという性奴隷状態で衰弱して、倒れる前にどうにか逃げ出してベトナムに帰り、体験談を本にしてベストセラーになったという話がありました。そうした話が巷間をにぎわせている割には、同じような目に遭う人が続くのは田舎で情報に疎いからかと思っていましたが、どうもそういう話があると分かっていても人生を変えたいという思いから、運を試してみる女性が後を絶たないようです。
 最近では、同様に18歳で花嫁として台湾に渡ってきた少女が 、夫とその夫人!に毎日虐待され、傷跡のないところもないほど痛めつけられた上、最後には毒薬を渡されて飲むように強いられたものの、どうにか逃げ出し保護されたという話もあるようです。
 一方、幸せに暮らしている人は順調に生活を豊かにし、NHKで放映されたように台湾で越南商店を開いて、新たに台湾に来たベトナム人花嫁の相談相手としてずいぶんと繁盛しているような方もいるようです。

 私は台湾には出張で何度も行っているのですが、ベトナム人がたくさんいると思われる台北には未だ行ったことがなく、台湾のベトナム人事情をどうにか知りたいと思っていました。出張先の工業団地でも各国から出稼ぎ労働者がたくさん働いており、ベトナム人もいるらしいとか、花嫁としてきた女性が夜スナックで働いているらしいとか聞いて事情を聞いてみたいと思っていたのですが、どうにもその機会がありませんでした。
 が、ついに事務所のそばにベトナム料理屋ができたことを知り、喜び勇んで今回の出張で寄ってきました。ここにあげている写真はそのとき携帯のデジカメで撮ったものです。さすがに解像度はよくありませんが、まあこんな感じで営業していました。店の女主人は発音からして南部の出身。聞くと、この店の前に裏通りに店を開いていたらしいのですが、空き店舗を見つけて表通りに進出してきたとのことでした。味はまあまあでしたが、価格が台湾のレストランとしては高いので、果たしてやっていけるか?僕が入った時もお客はあと一組だけで、ちょっと将来に不安を感じさせるものでした。