ブンの工場

 ミトーで知り合いを訪ねたら、姪にそのあたりを案内させようと言われ、その一つとして様々なベトナム料理に使われるブンの工場(と言っても家内制手工業ですが)を見学してきました。ブンはフォーと同じように米粉からできた麺ですが、形状はフォーがきしめんのように平たいのと比較して断面が丸くなっています。
 ブンを使った料理としては、揚げ春巻きや生春巻きのように中に具として詰めるもの、go?i bu'n cha? gio`のようにブンの上に何かを載せて食べるもの、あるいは麺としてそのまま食べるbu'n bo` Hue^など色々あり、麺の中では一番多様な用途に使われているのではないかと思います。
 ブンはベトナムでは乾麺でも生のままでも売られていますが、日本ではほとんどの場合、乾麺をお湯で戻して使っていると思います。生のブンを使った料理は、日本では例えば『青いパパイヤ』のBa'nh ho?iなどで食べることもできます。


ブンの作り方は、まず米を炊き、つぶして練るところから始まります。
 写真に示すようなローラーを使った平らに延ばす機械にかけて押しつぶして、下に出てきたものをまたこの機械の上に戻してまた押しつぶします。そうやって、何回も練ったものを最終的には画面下に見えるように棒状に固めて形を整えます。

 

 

 次に練って棒状に形を整えたブンの原料の固まりを押し出し機にかけます。押し出し機は、固めた筒状の原料を挿入して、上からゆっくりと圧力をかけるようにになっています。また下部には、小さな穴がいくつも開いており、そこからブンが細長く押し出されてきます。まあ、ところてんのような作り方ですね。
 押し出されたブンはそのまま熱湯に落とし込まれるようになっており、そこでゆで上げられます。

 

 茹でたブンをすくい取り、水にさらします。ざっと水分を切ったあと、台上でさらにもう少し水切り、乾燥させます。

 

 水を切ったブンは、バナナの葉に包まれ、出荷されます。


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