カントー

カントーはメコンデルタの中心都市です。サイゴンからはローカルバスで5時間、ハウザン(後江)のほとりにあります。カントー市場は、生鮮食料品の種類と数ではベトナム一とも言われています。まるで、メコンデルタの豊穣を体現したような街です。
カントーのメコンデルタツアーは無数の支流を小舟で巡ります。水上マーケット、スネークマーケット、精米所、水田といろいろなところに連れていってくれます。所要時間は10時間くらい。行く場所によってはもっと短くもなると思います。

 僕はカントーに入るフェリーの上でゲストハウスの人間に声をかけられ、そのままそこに泊まったのですが、そこでもメコンデルタツアーを企画していてそれを使いました。値段は交渉次第ですが、20ドルくらいとられたのかなあ。でも、そのマネージャーのフンさんはいい人で、夜、飯に連れていってくれたり、よく面倒を見てくれました。
 参考にゲストハウスの住所を書いておきます。
Doan An Duong Hotel
Address: 3 Hoa Binh Can Tho Tel:071-822176

クメールの人々
 カントーにはクメール系の人がかなりいて、市内にはクメール寺院もあります。そうした寺の一つに入りぼーっとしていると若いお坊さんから声をかけられて、寺の中を案内してもらいました。しかし、話しをすると、若いと思っていたのが意外に年をとっていて驚きました。クメール人はベトナム人以上に若く見えるようです。彼らは英語の勉強になるからということで旅行者が来ると声をかけていたようでした。
 話が弾んで夕方が近くなった頃、彼らは夕方の勤行で近くの寺に行かなければならないけど、一緒に行かないかと僕を誘ってくれました。良いチャンスとばかりに飛びついて彼らと行動をともにして郊外の別の寺へと行ったのでした。クメールの人はとても優しくて、その優しさがベトナム人とはちょっと感じが違います。何かベトナム人にやられたのも無理ないなという感じがしました。あと、やっぱり時間にはあまり頓着しないようです。何か誘われたときには余裕を持って行きましょう。
 行った先のお寺では年輩のお坊さんとお話をして時間が過ぎていきました。そのお坊さんが見せてくれた資料には、日本の援助で作られてカンボジアへ送られたお経の本みたいなものもありました。豊かな仏教文化を誇ったはずのカンボジアが日本の援助を受けなければならないところにポル=ポト政権の被害の深刻さをうかがわれました。
 結局彼らの勤行とは何か全く分からないまま楽しく会話して、その寺をあとにしました。


 
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