刺繍
 手先が器用なためかベトナムでは結構刺繍が盛んです。伝統的な刺繍をした服や布もあれば、刺繍を使った芸術作品もあります。
 いろいろな地域に刺繍の有名な地区がありますが、ハノイであれば、Ha`ng Gai, Ha`ng Ngang, Ha`ng Dda`o, Ha`ng Tro^'ng, Ha`ng Ba.cといった旧市街の各通りにお店が並んでいるようです。
  特別にでしょうか?ハノイのお店はお客さんのいろいろな要求に応えてくれ、どんなデザインでもイラストでも刺繍に起こしてもらえるようですので、自分のお気に入りの写真や絵などを持っていって試してみてのも面白いと思います。
 左の写真は知り合いのオーストラリア人がハノイに住んでいた時に買った刺繍です。 かなり細かい刺繍で絵のように作り上げられおり、緻密さに驚かされてしまいました。ちょっと遠めに見ると単に人物を描いた絵画のように見えますが、近付いてみると、一つ一つが果物を刺繍したもので、それが集まって人を描いていることが分かります。この知り合いは他にも静物画のような刺繍を持っているのですが、どれも近付いてみるまでは刺繍と気付かずなかなか巧みに刺繍しているなと感心してしまいました。



 刺繍を名産とする地域としてハノイ郊外に目を向けるとすぐお隣のHa` Ta^y 省のThu+o+`ng Ti'nには刺繍村のようなものがあるそうです。ハノイから西方向にはかつて道路事情が非常に良くなかったのですが、最近広い道路がどんどんと作られていますのて、そのうちごく快適に行けるようになると思います。この村には私自身は行くことはできず、かわりに絹織物の村Lang Lua Ha Hongに行ってきました。
 この村ははもともと手動の機械で絹織物を作っていたとのことですが、1975年のサイゴン陥落以後、ベトナムを脱出した華人たちがサイゴンで営んでいた織物工場から自動織機を導入して、今のような大量生産型の産業にしたのだそうです。


 機械自体は手動で横糸をくぐらせるところをシャトル形式の横糸通しを自動で往復させる比較的単純な形式の機械でした。単純な形式でありながら、スピードがかなり速いため、織物を織っていくスピードはかなり早く、効率的でした。織機の上部に織物のパターンを読み込む構造がもうけられていたのですが、詳細はよくわかりませんでした。
 工場内は自動織機の音が鳴り響き、普通に会話するような声ではとても話が聞こえないほどで、労働環境としてはかなり劣悪でした。
 自動織機が導入される前にはどんなだったか知りたかったのですが、みた限り、村には手織り機械はなく、すべてが自動織機でした。
 ところが、数日後に訪れたハノイの民族学博物館で、昔ながらの手織り機械を見つけたので、その写真を撮ってきました。それが、この右側の写真です。 見た感じ、余り差はありません。機械で布を送っている部分と横糸をくぐらせる機構に動力を使っているかいないかの差のようでした。


 織物で豊かになっているようでこの村のあちこちには新築の家が立ち並び、また表通りには観光客向けのショップが立ち並んでいました。ベトナム人も買い物にはよくくるようで、私が村をぶらぶらしている間にもベトナム人の団体さんが店をあちこち忙しく動いていました。

 これらの 刺繍村や絹織物の村が観光コースに組み込まれているようでしたらツアーも出ているでしょうし、そうでなくとも旅行会社で個人で車を手配してもらえるので、往復の足については特に問題なく確保できると思います。
  車を借りるだけ(もちろん運転手付き)でしたら30ドルくらいからでOK。結構大きな車もこの値段で大丈夫と思います。

 またハノイ市内のバー・ディン区にはLa`ng Va.n Phu'cという別の刺繍で有名な地区があるそうです。ここも機会があったら行ってみると面白いという話です。先に書いたように、お気に入りの写真や絵を持っていってみることを検討してみて下さい。



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