祈る
 宗教について良く、ベトナム人の80%以上は仏教徒だと言われていますが、実際には道教と仏教が混合した中国と同様の形態のような気がします。そのため日本語でお寺と称されるものは、実際には仏様だけを祀ったものではなくて、いろいろな神様が祀られていたりします。一応Chu`aがお寺、Dde^`nが土地の神様や英雄を祀った所という感じでしょうか?

参り方
お寺に参るときにはそれなりの作法があるようです。ちょっと観察したところを示します。ちなみに、今回の場所はタイ湖北岸の有名なお寺だそうです。祀っているのを見るとどうも道教っぽいのですが、歩き方にはホウ寺と出ています。

 1.お供え物を整える
 お寺に着いたら、本堂に向かう前にお供え物を広げ、お盆に載せて用意をする場所があります。そこで、持ってきたお供え物をお盆に載せます。お盆はお寺で用意してくれているみたいです。お供え物としては、紙でできたお金、季節の果物、お菓子(餅米で作ったおもちのようなもの)、お花、飾り物などが一般的なようです。おもしろいことに、この紙で作ったお金が米ドルです。これは、天国で使うためのものなのですが、やっぱり幅を利かせるのは現実的に強い通貨なのでしょうか?
 あと、偽物のお金だけでなく、実際のお金もお供え物にします。これは、実際にはお供えするのではなく、お供え物と同時に神様に浄化してもらい、持ち帰るためのものです。

 2.お祈りする
 準備ができたら本堂の方に向かいます。本堂の中にお供えできる線香の数が制限されていたりするので注意しましょう。
 像の前に先ほど整えた捧げものを供え、一心不乱にお祈りします。このとき注意するのは、お供え物を置いた場所を忘れないこと。なぜかというと実際にはあとで回収するからです。
 お祈りの仕方で、日本と異なるのは、長い線香を合掌した手に挟み、それを前後に揺らしながら礼をすること。礼をした後、頭を正した位置に戻して、線香を目前にぴったりと止め、祈りの言葉をつぶやきます。人によっては、これがずいぶんと長く、一体何をお願いしているのだろうと不思議になります。願えられるだけ願っておこうという感じなのか?それとも同じことを繰り返し、お願いしているのか?祈りの言葉が終わると、また最初と同じよう線香を前後に揺らしながらお礼をします。

 3.お供え物を燃やす
 紙でできたお金などのお供え物を燃やす場所が境内に設けています。お供え物をここで燃やし、お参りは終了です。
 このとき注意するのは、偽物のお金と一緒に実際のお金も燃やしてしまわないこと。お供え物と一緒に置いておいた実際のお金の方は、お祈りによって浄化された幸運なお金となっていますので、持ち帰り親戚や親類に配るお土産としても使えます。だいたいは500ドンくらいの小額紙幣ですが、結構みんなありがたがってもらっています。

 あと、おもしろいと思ったのは、これは本当のお寺の方でしたが、喜捨を集めているお寺の人の所に新たな参拝者が、両替をしてもらっていることでした。小額紙幣がたくさん入っていますので、それに換えてもらっていたわけです。お参りすると、実際には仏像などが多くの場所に分かれて安置されており、それぞれにお供えすると馬鹿にならない額になるための対策かなと思いました。

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