フエの街は古都と呼ばれていますが、その歴史はそんなに古いものではありません。永らくこの地方はベトナムの南の辺境地帯でしたが、チャンパが攻め滅ばされる頃から南部の中心としての役割を始め、グエン朝の成立とともに全ベトナムの首都となったのでした。

フエという街
 ベトナムの都市というと誰もがまずサイゴンをそして次にハノイを思い浮かべるような気がします。でもサイゴンはベトナムの中では一人浮いた都市です。あまりに大きすぎ、都会過ぎて僕のベトナムのイメージとはかけ離れています。僕はあまり大きな都市は好きではないのでサイゴンに着くとすぐに地方へ行くことにしています。それはミトーであったりフエであったりするわけです。フエはゆったりとした時が過ごせ好きな街です。刺激は少ないけど、それは日本で十分。

王宮と皇帝廟
 フエの街には中心に王宮と郊外に皇帝廟があります。南国の暑さと湿気で木造建築は無惨なまでに朽ちていき、高々200年くらいしかたっていないのに見る影もありません。フエの王宮は日本人にとってはそんなに珍しく感じるものではないと思います。
 王宮にしろ皇帝廟にしろ、そこを出ると子供達やおばさんが使用済みの入場券をくれと言って寄ってくると思います。もし記念にとっておこうというのでなければあげてください。それは彼らの生活の糧になります。というのは彼らはそれをベトナム人観光客に1000ドンくらいで売りつけるのです。ベトナム人向けの入場料は安いけれど入場券はないので、記念になる外国人向けの入場券がお土産になるのだそうです。

フエの日本人
 フエの街では日本語を聞く機会が多いかもしれません。フエの街ではその大きさの割に日本語を教えてくれるところが多いからかもしれません。実際、登下校時など明らかに旅行者の姿をしているとごく普通の学生から『こんにちは』と声をかけられることが多いのです。
 フエの街にはいくつかの日本が絡んだ機関があります。歩き方にも載っているストリートチルドレンの家、ベトナムのエリートを育てている南学日本語学校フエ校、フエの王宮の保存活動をしている遺跡保存センターなどです。これらの機関に見学に行くのもおもしろいと思います。ただ、南学日本語学校に行くときは事前に連絡を入れて、割合きちんとした格好(シャツにズボンとか)で行かれた方がいいと思います。テレビでいろいろなことが放映されていたようですが、何事も自分の目で見、耳で聞いた方がいいと思います。マスコミに限らず、すべての情報は何らかの意図が隠されているというのが基本だと思っています。

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