お気に入りの場所
 僕にはサイゴンでのお気に入りの場所がいくつかあります。そのひとつがこの写真に示す、カフェ『チ・ラン』です。このカフェは市民劇場から中央郵便局に向かうドンコイ通りに面した公園の中にあります。市街の中心にありながら、なぜか静かな一角です。カフェとしては値段が高めのためかあまり人が入っていません(それでもチャオカフェよりは随分安いですが)。それとも行く時間がいつも朝だからなのか?外国人のビジネスマンを結構見かけたりします。屋外のカフェですから結構暑いのですが、風が吹くととてもさわやかで、ここでアイスコーヒーでも飲みながら絵はがきを書くのが僕のサイゴンでの日課となっていました。ここで絵はがきを書きながら街を眺めているとどこにいるのか分からないような気分になってきます。
 ドンコイ通りを駆け抜けるバイクの群、通りすぎる外国人ビジネスマン。特に何もすることがないとき、クーラーのきいた喫茶店ではなく、こういうところもいい気がします。サイゴンの一風景がここから眺められます。

レストラン13と19の闘い
 ベトナムで不思議に思うことに店のはやり方があります。繁盛している店はすごく繁盛しているけれど、はやっていない店は徹底的にはやらない。売れているたばこも売れているものが圧倒的に売れる。レストランなんかも味はそんなに変わらないんじゃないかなと思うのだけれど全然違うんですよね。
 ここに載せたのはドンコイ通りからチャン・フン・ダオの像の方へ少し入ったゴ・ドゥック・ケ通りにあるレストラン13とレストラン19の写真です。レストラン13はガイドブックにも出ている有名なレストランで地元のベトナム人もたくさん入っています。しかし、隣り合わせのレストラン19はごらんのように店構えも小さく、いつ見てもお客がほとんど入っていません。味はどちらも変わらないようなのですが、いつものように客の入りに差ができるとひっくり返すのは至難の業なのですね。
 レストラン19は駐在している日本人に人気があって、ボランティアでメニューを日本語タイプしたりして(値段が昔のままだが)応援していたようなのですが、事態は変わらなかったようです。その日本語のメニューもぼろぼろになってきたためか、再訪したときにはなくなっていました(98.8)。半年ぶりにお店に入ると、あれっ?という顔をしながら迎えてくれました。ベトナム人って、人の顔をよく覚えているのですよね。
 ここの女将さんはしっかり者のベトナム女性そのもので、店の客引きがレストラン19の客引きに客を奪われる度に深いため息をついておりました。客引きの方もこれだけ差がついてしまうと負け犬根性がついているのか、全然気合いが入っていません。
 サイゴンに行くことがあればこの闘い(になっていないけど)をのぞいてみてください。

アオザイ教団御用達
 ニフティのアオザイクラブから発生したアオザイ教団の御用達がここに載せたKim YenとBach Tuyetです。場所はドンコイ通りを市民劇場からサイゴン川の方へ50mほど行ったところにあります。アオザイ教団の総大主教であるMUGIさんは行く度にここでアオザイを作るだけでなく、人を洗脳して作らせてしまうのです。そろそろバックマージンをお店からもらった方がよいような気がします。
 アオザイ倶楽部御用達のBach Tuyetが店を閉めているといううわさを聞いて、確認しに行ってまいりました(98.8、99.1)。噂通り、店はシャッターが閉められたまま、大きな鍵がかかっていました。噂では、店のマダムはどこかを放浪しているとか。

サイゴン川沿いのカフェ
 人に連れて行ってもらったので場所が良く分からないのですが、サイゴン川沿いにはたくさんのカフェがあって、恋人達の憩いの場になっているようです。そうしたカフェは道路にちょっとした看板が立っているだけで、奥の方に隠れたように並んでいます。カフェは密閉された作りにはなっておらず、椰子の葉らしきもので屋根を作っているような開放的な作りになっています。そうしたところで風に吹かれながら、ゆったり流れるサイゴン川を眺めながら、何をするわけでもなく時間を過ごすというのが彼らの時間の過ごし方のように見えました。僕も彼らを見習って、マンゴー・シャワーの降っている間そうしたカフェでぼーっとしていました。ベトナムに行くと本当に何をするわけでもなくぼーっとしていることが多いです。昼間は暑いから特に何をする気にならないというのもあるし、サイゴン自体にそんなに見所がないというのもあります。

サイゴンで食べたいもの
 ミエン・ドンのバスターミナルの方でしょうか?アヒル料理で有名な通りがあります。人に連れて行ってもらったので場所が良く分からないのですが、その通りは全部アヒル料理の店。日本ではなかなか食べることができないアヒルを味わい尽くすことができます。
 アヒルの肉を炒めたものは、割合あっさりしていて、とてもおいしかった。ティエット・カン(血のスープ)というのは絞ったアヒルの血にヌック・マムを入れてゼリー状に固めたもの。おっかなびっくり食べましたが、意外にいけました。

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